③その農政では糸島が崩れる

政府が進めている農業政策の基本は農業の大型化であり、効率化を進めて世界の市場競争に打ち勝つ農業の育成です。そうした政策から外れる小規模、零細な農業に将来性はない、消えても仕方がないと判断しているわけです。

では、糸島市でそれほど大規模農業で生産効率を上げられる環境があるでしょうか。答えはほぼゼロということです。価格競争力を迫るばかりの国の農政では糸島の未来がありません。

小規模な糸島の農業をどうすれば永続させ、夢を持たせることが出来るのでしょうか。残念ながら月形市長の4年間では何ら有効な対策を打ち出せていません。国の「ノー政」に従うばかりだからです。

糸島だけでなく地方の農業のほとんどが同じような危機にあります。いわゆる限界集落の問題です。里山の人口は減り高齢化してムラは次第に荒れ原野と化しつつあります。糸島が抱えるテーマは、日本そのものテーマなのです。

東京への一極集中の弊害が大きくなって急に政府は、定年世代や高齢者の地方移住を進める様になりましたが、地方の農業の立て直し策が伴わない限り、移住の勧めは「うば捨て」政策でしかありません。

地方の農業をどう立て直すのか。それは小規模、零細な農家も国土を守る大事な存在として、その価値をもう一度再認識することです。地方の農業を守れずして国土を守ることは出来ず地域の伝統や文化を維持することも出来ません。

糸島の農業や畜産、漁業を守るにも同じ考えが必要です。小規模でも零細でも大事な存在、役割であると再評価することが第一歩です。循環可能なエネルギーの自給自足、それも農林水産業が連携しての取り組みにすることや農業と林道を組み合わせた体験、滞在型の観光事業、一村一品をさらに進めて一軒一品の里山再生など可能性は沢山、見えてくると考えます。

いわなが 数昭